混在世界の流露


絵 29.9KB



画材:B3イラストボード、鉛筆、アクリル


2004年「スチューデントギャラリー」出品作。
久々に内面的な精神世界を描きたかった。
手の組み方は、アイディアスケッチの段階とは異なり、リアル感を求めて手の組んだ写真を参考にしようとあさった資料の中から出てきた、密教の九字の印である「臨・兵・闘・者・皆・陣・裂・在・前」の内の「陣」の形です。
内縛を意味するらしいです。
手元にある資料ではそこまでしか記されておらず、絵を描き終わってから後で調べたのですが、「自分の考えを客観的に冷静に判断できる力をあらわす」のだそうです。
まさに表したかった意味が含まったことに満足を覚えました。
女性にはアルカイックスマイルを、というのはアイディアの時点からあった為、菩薩的なイメージを抱いていましたが、完全に宗教的な意味合いにし過ぎるのではなく、人間でありながら尊い独特の空気をまとった女性像を描きたかったので、偶然所持している本から、手の組み方が自然と決まっていった経緯は自身でも不思議ながら導かれていたかのようで必然であったと思っています。
動物や木々に囲まれ、不思議な雰囲気をまとう女性と言うのは、憧れであり、優しげでありながら芯が通っている人間と言うことで、私の理想世界の一つの形です。

2004年3月17日画



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